農林水産省知的財産課から、標記検討会の「中間報告」が2025年6月30日に公表されました。報告では、品種の流出防止を図るため、公的機関の品種育成権者を主な対象に、国内外における品種の登録・管理・活用の方向性が示されています。
種苗業界に関係する内容では、農業振興を目的とした優良品種の許諾契約においては、「生産者への販売限定」「量販店・ネット販売の禁止」、さらに「第三者への譲渡禁止」などの条件が付されます。加えて、さらに厳格な管理を行う場合には、「余剰苗や剪定枝の管理義務」「増殖本数や購入者情報の報告義務」も課されます。これらの管理水準は、品種の特性や費用対効果を踏まえ育成者権者が判断することとされています。また、知財意識や管理能力の高い業者を対象として「種苗管理プログラム」受講や、流出防止策の実施を許諾要件とすることも有効とされています。
農研機構等の育成者権者が中間報告を踏まえた取り組みをどのように具体化されるか、今後の動向に注目しております。
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最近の農研機構登録品種の動き
農研機構で育成されたブドウ「サニーハート」、ニホンナシ「蒼月」、イチジク台木「励広台2号」について、2025年3月12日に品種登録されました。また「サニーハート」は本年6月18日付で農研機構からプレスリリース され、当協会として利用許諾契約の申込を行っております。しかしながら、現時点ではどのような形で許諾が行われるかは未定となっております。
新たな動きがありましたら、速やかに会員の皆様にご案内申し上げます。
「種苗法登録果樹品種一覧2025年度 追補版」の発行について
わが国の果樹品種は、独立行政法人や公立試験研究機関及び民間個人や種苗業者などにより育成され、特徴ある優れた品種に対しては高い期待と関心があります。
これまで、当協会では種苗法に基づく品種登録やその特性、育成者権の有効期間などの基本的な情報を正確に確認できる情報源として、「種苗法登録果樹品種一覧」を年報として発行してきましたが、今後しばらくは年度ごとに、追補版を発行していくこととなりました。
2025年度追補版では、令和6年度中(2024年4月1日~2025年3月31日)に登録された19品種の概要を記し、期間満了及び登録取消品種の情報も別表で加えました。2024年度版と合わせてご活用いただければ幸いです。
また、数年後には、種苗法が施行された昭和53(1978)年12月28日からの情報をすべて掲載した、これまでの一覧の作成も予定しています。
これからも果樹の種苗及び果実生産・流通などに関わる関係者に広くご活用いただき、果樹品種への理解・関心の深化と、新品種の普及や種苗法啓蒙の促進、さらには果樹産業と果実消費の拡大に寄与できることを期待しています。
本協会の季刊誌「果樹種苗」第178号を5月1日付で発行しました。
本号では果樹行政関係の記事として「新たな「果樹農業振興基本方針」公表に」、果樹生産関係では「NARO S.マルチによる高品質ミカン生産」を掲載しています。また、生産環境関係では「温暖化の進行による果樹栽培適地の移動」、品種動向関係では「農研機構登録果樹品種の苗木販売数と栽培面積の動向(日本なし変種及びなし属)」及び「主要日本ナシ品種の系統図」について紹介しています。
「果樹種苗」誌は、果樹の新品種や栽培技術、果樹種苗に関する施策動向などの情報をいち早くお届けしています。本誌の年間購読料は、3,664円(税込・送料別)です。購読を希望される方は、本ホームページの「出版物の紹介」から注文書をダウンロードしていただき、FAX等で当協会宛てお申し込みください。
本協会の季刊誌「果樹種苗」第177号を2月1日付で発行しました。
本号では知財政策関係の記事として「知的財産の保護・活用に向けた取組(令和6年度補正、7年度概算予算決定の内容を中心に)」、果樹施策関係では「令和6年度補正、7年度概算予算決定における果樹種苗関係諸施策」を掲載しています。また、栽培技術関係では「モモの大苗移植栽培における台木の影響」、「主要モモ品種の系統図」について紹介しています。
この他、果樹苗木業を担う若い力第31回 西岡希真さんの紹介も掲載しています。
「果樹種苗」誌は、果樹の新品種や栽培技術、果樹種苗に関する施策動向などの情報をいち早くお届けしています。本誌の年間購読料は、3,664円(税込・送料別)です。購読を希望される方は、本ホームページの「出版物の紹介」から注文書をダウンロードしていただき、FAX等で当協会宛てお申し込みください。