果種協
社団法人 日本果樹種苗協会 (略称:果種協)
Japan Fruit Tree Seeding & Clonal Association (JFCA)
「種苗法」ってな〜に

種苗法とは、品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を図り、もって農林水産業の発展に寄与することを目的に定められた法律です。主な点を以下に示します。

守らないと罰則を科せられる場合があります。

  1. 果樹の場合、品種育成者権の保護期間は30年です(なお、昭和53年12月28日〜平成10年12月23日までの間に登録された品種は18年、平成10年12月24日〜平成17年6月16日までの間に登録された品種は25年、平成17年6月17日以降に登録された品種は30年です)。
  2. 正式に品種として認められる以前にも、出願公表時からは品種育成者の権利(育成者権)が認められています(仮保護制度という)。
  3. 種苗法を守らない場合には、以下のような罰則を科せられます。
  4. 育成者権侵害罪の罰則(平成19年改正後)

    罰則
    個人の場合 10年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金又はこれらの併科(懲役と罰金の両方を科す)
    法人の場合 3億円以下の罰金

    育成者権侵害罪以外の罰則

    罪名
    刑罰
    個人
    法人
    詐欺行為の罪 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 1億円以下の罰金
    虚偽表示の罪 同上 同上
    秘密保持命令違反の罪 5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれらの併科(法第70条) 3億円以下の罰金(法第73条第1項第1号)

  5. その他、重要項目
  6. Q.登録品種の要件とはなんですか

    品種を登録するためには、次の要件が必要です。

    • 区別性:既存の品種と比較して、重要な形質で明確に区別できること。
    • 均一性:同じ品種に属する各個体が重要な形質で十分に類似していること。
    • 安定性:増殖を繰り返しても、同じものができること。
    • 未譲渡性:国内で出願日の1年さかのぼった日より前にその果樹の穂木や苗木を他の人に譲渡していないこと(外国の場合、木本性植物は6年)。
    • 名称の適切性:名称が既存品種や登録商標と同じ、又は紛らわしくないこと。
     

    Q.農家が自家増殖をしてもよいでしょうか

    果樹では、農業者(個人又は農地法第2条第7項の農業生産法人)が登録品種の穂木または苗木を正式購入して、それを自ら栽培するために増殖すること(自家増殖という)は認められています(平成21年4月1日現在、果樹では、パパイア属、まつぶさ属、マルピーギア属が省令により自家増殖に係る育成者権の例外規定が適用されない栄養繁殖植物と定められています)。なお、育成者権者が農家の自家増殖を禁止する旨、契約書を取り交わせば、農家の自家増殖を禁止できます。

    自家増殖のために、自園で採取した穂木で種苗業者に苗木を作らせると、違反になりますので、農家の方は注意してください。

    Q. 取次販売をしてもよいでしょうか

    正式に許諾を受けた種苗業者から苗木を得て販売することを取次販売といいます。苗木業者が生産した苗木が、数を増やすことなく卸売業者や小売業者を通して販売されることは許されます。数を増やして取次販売を行いたい時は、別に育成者権者の許可をもらう必要があります。取次販売を認めると、結果として許諾契約を結ぶ機会が少なくなるので、育成者権者は取次販売を認めていない場合が多くあります。なお、(独)農研機構育成品種については、取次販売、委託生産は原則として認めていません。

    Q.登録品種の苗木、穂木、果実を別の名前で販売してもよいでしょうか

    登録品種の穂木や苗木には、登録された名称以外の名前を使用することは禁止されています。育成者権の保護期間満了後でも、その品種の名称をそのまま使用しなければなりません。
    しかし、果実は別な名称で販売しても構いませんが、一つの登録品種に色々な名称が使われると混乱を招きますので、その辺を考える必要があるでしょう。

    Q.登録品種の名称として、登録商標を用いてもよいでしょうか

    登録品種の名称として、自分の商標登録の名称と同じまたは類似する名称を用いることはできません。逆に、登録品種の名称として使用しているものは、その名称で商標登録を受けることはできません。なお、登録商標を取り消すことはできるので、商標登録された名称でも、それを取り消した時点で、登録品種の名称として使用することは可能です。

    Q.品種の出願料はどの位でしょうか

    出願料は47,200円で、願書に収入印紙を貼付して納入します(願書が農林水産省食料産業局新事業創出課種苗審査室に届いた日が出願日)。願書に不備がなければ「出願公表」が行われます(官報に掲載)。出願日から品種登録される日まで、1〜2年かかります。品種登録されると、次の質問にある登録料を払わなければなりません(詳しくは、農林水産省食料産業局新事業創出課種苗審査室(農林水産省品種登録ホームページ:http://www.hinsyu.maff.go.jp/TEL 03-3502-8111(代表)内線4301)。

    Q.登録料を納付期限までに納めなかった場合、品種登録は直ぐ取り消されますか

    登録料は毎年支払う必要があります。登録料は次の通りです。登録後1〜3年:6,000円/年。4〜6年:9,000円/年。7〜9年:18,000円/年。10〜30年:36,000円/年。納付期限は、1年目は品種登録後30日以内、2年目以降は各年の登録日応当日以前です。また、登録料は毎年払い、又は数年分一括して納入することができます。但し、2年目以降で期日までに登録料を支払わなかった場合には、6ヶ月以内であれば上記の登録料の2倍の金額を払えば、登録を維持出来ます(登録料の追納)。

    登録料の納付を忘れないようにしましょう!!

    Q.従属品種や登録品種を用いて新品種を育成した場合、元の品種の育成者に了解を求める必要がありますか

    既に登録されている品種を利用して、従属品種(枝変わりなどの突然変異、珠心胚実生、遺伝子組換えのように、わずかな形質を変化させて育成した新品種)を育成・登録するには、元の品種の育成権者の許諾を得る必要はありません。しかし、その品種の穂木や苗木を販売する際には、元の品種の育成者権者の許諾が必要です。

    なお、従属品種に当たるか否かの判断については、一律の基準はなく、個々の品種ごとに判断されます。

    Q.委託生産農家は種苗業者の届出をする必要がありますか

    農家が農協等の委託を受けて苗木を生産する場合は、農家は農協から委託料を受け取るだけで、農協と農家の間には販売関係がないことから、この場合の農家は種苗業者とはなりません。しかし、例え当事者が委託という言葉を用いても、その実態が「農家が苗木を生産して農協に販売する」ものである場合には、農家は種苗業者としての届出が必要です。即ち、その農家が委託料として金を受け取るか、販売金額として金を受け取るかによります。後者の場合には届出が必要となります。

    Q.苗木に貼る証票に記入すべきことは何でしょうか

    1. 表示をした苗木業者の氏名又は名称及び住所
    2. 種類及び品種(接木した苗木にあっては、穂木及び台木の種類と品種)
    3. 生産地
    4. 数量
    5. 薬剤により病害虫の防除をした種苗については、その旨及び使用した有効成分名

    以上です。種苗法で、これらのことの表示が義務づけられています。よく忘れがちですので、注意しましょう!(詳しくは『果樹種苗』第99号、同第122号、『特産果樹』を参照)